ヴェネツィアの歴史 と ワイン産地 地図 | 雑貨屋さんのような可愛いワイン専門店 Cellier de L’ourson セリエデルルソン (東京都文京区白山にあるワインショップ)

ヴェネツィアの歴史 と ワイン産地 地図

本日、セリエ・デ・ルルソンにまた新しいワイン産地の地図が届きました。

かつてのヴェネツィアが、アドレア海から東地中海、黒海まで海上貿易を独占していた、ヴェネツィア共和国の制海権を持っていた勢力範囲と領土。
このワイン産地の地図は、その勢力範囲を、現在のワイン産地とともに、ヴィネツィアの歴史をワイン産地とからめて勉強する事も出来る、素晴らしいワイン産地の地図です。

ヴェネツィアの歴史、繁栄と切ない衰退の歴史に思いはせながら、イタリアワインを楽しむ。

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イタリアワインのお勉強の1つ、それはイタリアの歴史をしっかりと知る事、そして幅広い勉強しなくてはいけない範囲がある中で、その中の1つは、ヴェネツィア共和国の歴史を知る事。

かつてヴェネツィアの強力な艦隊や商人が航海した商業航路。海の新幹線みたいな、
かっこいいです。

ヴェネツィアの歴史に思いをはせながら、ワイン産地の地図を眺めながら、イタリアワインを楽しむ。
早速このワイン地図をみながら、ヴェネツィアの港を出発してアドレア海を南に針路をとります。


①アドレア海沿岸に複数あった領土でもあり主要寄港地の1つ、ザダール(Zadar)の町。
現在のクロアチアのダルマチア地方沿岸都市。ここにあるワイン産地はザダール(Zadar)。

②さらに南に進むと同じく寄港地の1つであったスプリット(Split)の町。
ここも現在のクロアチアのダルマチア地方南部の沿岸都市。ここにあるワイン産地名も同一名のスプリット(Split)。

③さらにアドレア海沿岸を南に進むと、同じく主要寄港地のドゥラス(Durrës)の町。
ここは現在のアルバニアの沿岸都市。ここの沿岸部のワイン産地地域名はコースタル・ローランズ(Coastal Lowlands)。
そしてここが北緯41度線。この地図には、イタリア本土のグレーコ・ディ・トゥーフォ(Greco di Tufo)のワイン産地と同緯度だと書かれています。
勉強になります。

④さらに南に進むと、当時のヴェネツィア領コルフ(Corfu)島。
ここは現在のギリシャ領。ここのワイン産地地域名も、地図によると同一名のコルフ(Corfu)。

⑤いよいよイオニア海へ。
ヴェネツィア領だったイオニアン諸島の主要航路をすすむと、『レパントの海戦』があったコリント湾がみえてきます。
レパントはこの海峡にある1つの町の名前、現在のギリシャ本土のワイン産地、中央ギリシャ(Central Greece)地方の海峡都市ナウパクトス(Nafpaktos)と同じ。
レパントの対岸は、ヴェネツィアが一時的に支配したペロポネソス半島となり、現在は1本の橋でつながっています。
ペロポネソス半島(Peloponnese)のほぼ全域がギリシャの主要ワイン地域の1つ。コリント湾の南岸にはワイン産地パトラス(Patras)があります。

⑥そして東地中海へ。ヴェネツィア共和国の最重要拠点1つであったクレタ。この島は絶対に死守しなければいけなかった。
そのクレタ島が陥落する。ヴェネツィアの歴史の中で悲しい気持ちになるクライマックス。
クレタ(Crete)島もギリシャの主要ワイン産地の1つ。


⑦コンスタンティノープルにむけて、北上してエーゲ海へ。
ヴェネツィアが一時支配した当時ネグロポンテ(Negroponte)を呼ばれた、アテネ(Athens)の東にあるエヴィア島。
ここもギリシャワインの主要ワイン産地の1つ、エヴィア島全体がワイン産地で、ワイン産地名エヴィア(Evia)。
またエヴィア島の南東に広がる島々はヴェネツィアが貿易を独占した時代は、アーキペラゴ(Archipelagos)と呼ばれた多島海であり、ヴェネツィアが支配したアンドロス(Andros)島やパロス(Paros)島があります。
ギリシャワインの分類的には、キクラデス(Cyclades)諸島のワイン産地であり、主要ワイン産地はパロス(Paros)と、ヴェネツィア人も入植したサントリーニ(Santorini)島があります。
サントリーニのぶどう畑は、強烈な海風により特殊な低い仕立てで有名。

⑧そしてエーゲ海を北上して、ついにコンスタンティノーブルへむかうべく、ダーダネルス海峡へ。この地図ではその海峡の入り口あたりまで載っています。

この海峡から東の奥、マルマラ海をとおり、コンスタンティノーブルへ向かう、かつてのヴェネツィアの商船。そして黒海に抜け、さらにその奥の黒海沿岸の商業拠点へ。
今晩は、黒海をも貿易を独占したヴェネツィアの繁栄の歴史を想い、ヴェネツィアの艦隊や商人が航海した広大な海を思い浮かべながら、
あらためて勉強しながら、イタリアワインを楽しみたいものです。