Alsace Rangen | 雑貨屋さんのような可愛いワイン専門店 Cellier de L’ourson セリエデルルソン (東京都文京区白山にあるワインショップ)

Alsace Rangen

51あるアルザスの特級畑(グラン・クリュ)の中で、もっとも南にあるのがランゲン(Rangen)。
ランゲンはコルマール(Colmar)から南に車で40分くらい、山間の谷に入ろうとする瞬間の、タン(Thann)という町の近くを流れるツュル川(La Thur)の左岸、超スーパー斜面のその南向き斜面にあります。

特級畑ランゲンはアルザスの中でも他には無い、最大斜度45度(現地の情報で)という超急斜面、アルザスの訪問で一番最後に楽しみをとっておいたワクワクするぶどう畑。

川沿いの道を歩いていくと、最短距離でぶどう畑を登る、直滑降型のぶどう畑で作業する方専用の、手すりとか全く無い、スパルタ的な急斜面丸太階段があり、気が緩んで足を滑らせたら落ちて怪我するだろうなと思いつつ、慎重に一番上まで登りました。

左手に見える町がタン。
ここからの景色、見たかったんです。

すごい急斜面ですね。
(後で気が付きましたが、かなり遠回りすると上まで登れる遊歩道があったようです)

またこのランゲンは、アルザスのグラン・クリュの中で唯一、火山性土壌というたまらない魅力も。
Rangen3-3
その火山性の岩石がごろごろしている急斜面は、わたしが気が付いた限りでは、斜面の上部に行けば行くほど岩石の量が多く、下半分はほとんど大きな岩石は無く、土も露出していました。
上から落ちてきた岩石が下に溜まりそうですが、ここの斜面の下半分はさらに上部より急斜面だから、下半分の岩石は落ちてしまって、土が露出しやすくなっているのかも知れません。

またローヌであればこれだけ斜度があれば、棒で支えをする棒仕立てに伝統的にするでしょうが、ランゲンではこれだけの急斜面でもダブル・グイヨ仕立て。
この急斜面の環境では表土がほとんど浅いでしょうから、根っこがかなり深くまで這っていそう。

ぶどうの木の凄まじい生命力を感じますね。

ただ、ここランゲンでも、昔は棒仕立てで仕立てていたようです。
ぶどう畑の散策コースにあった中世からのワイン造りの歴史を伝える立て看板には、棒仕立て(ドイツのドッペルボーゲン式)がイラストで描かれていましたので。
(昨年の長梢を2本残し、ハート型ちっくに丸めて仕立てる方法)
ドイツと密接な歴史関係にもあったこの場所であれば、昔の修道士たちが急斜面に適したやり方であるドッペルボーゲンを採用していた事、納得で超勉強になります。

このランゲンでは、13世紀には既に修道士たちによってワイン造りが行われていたようです。
これだけの急斜面ですから、四季を通じてのぶどう畑での作業は困難を極め、昔の修道士さんにとってかなり危険な作業だったに違いありません。
現在ではは上からロープをぶら下げ(ビルの窓ふき掃除みたいな)それに安全フックを付けて収穫や剪定作業などをしているそう。その分賃金も少し割高らしく、ランゲンのワインは、他のグランクリュと比べ少しお高い。

それでも、アルザス・グランクリュのランゲンのワイン飲みたくなるほど、魅力的ですね。

当ホームページに掲載されている画像等の無断転載はご遠慮下さい。
All Photos on this site are copyright reserved by Cellier de L'ourson wine shop. Unauthorized copy or usage is strongly prohibited.