ボルドーの右岸、世界遺産サンテミリオンの旧市街から南へ、オーゾンヌの畑の横を通り東へ進むと、
シャトー・パヴィ(Château Pavie)がある通称パヴィの丘があります。
地図フェチのワイン愛好家の皆さまなら、このコートの等高線の間隔の狭さを見ただけで、
身体がうずき、ワクワクするはず?(わたしだけか)
その斜面続きのコートを一番東のはずれまでパヴィのところから1キロくらい進むと、
今回の目的地、シャトー テルトル・ロートブッフ(Château Tertre Roteboeuf)があります。
ここの畑の斜度があまりにもきつく、ここを登る牛がいつもあえぎ声をあげていた事から、このシャトーの名前が付いたようです。
(斜面の一番上にある建物がシャトーとワインセラー)
テルトル・ロートブッフは、少々お高いのと、数も少なくなかなかお目にかかる事が出来ませんが、私が心を動かされたボルドーワインの1つ。
その理由はやはりここ特有のテロワールとこのシャトーの独自の栽培方法にあります。
ご主人フランソワ・ミジャヴィルさんお出迎えの後、今日のガイド役の娘さんが登場。
この斜面は雨が降ると斜面の上をスルスルと雨水が流れていく。自然な排水性は抜群。
土壌は粘土石灰質。ただし表土が地表から僅か40センチしかない極痩せた土壌。
その下は岩盤。
もろく崩れやすく浸食されやすい土壌の為、出来るだけ自然にまかせた栽培法で、土もあまり掘り起こしたり、根切りをしたりいじらない。
最も驚いたのは、その木の仕立て方。
もの凄い低く木を仕立てしている。 地面から僅か20センチくらい。
凄すぎ。。。。
それでは、最終的な秋の収穫時点の木の全体の高さが低いかというとそうではないらしく、
このシャトーの栽培法は葉っぱを多くする事で、良くしようとするやり方。
最終的には全体で高さを155~160センチにする。
ボルドーの左岸のメドックで良く見かける高さより高い。
メドックのように、砂利の土壌で、根を極端に深く伸ばして、良くするという方法と異なる。
超勉強になります。
では根はあまり養分を求めて伸びないのかというとそうではなく、
僅か40センチしかない浅い表土の下の、「冷たい土壌」と呼ぶ岩盤の地層には、
前年の冬に雨が多ければ地下水が上に上がってきており、
雨が少なければ地下水は下のほうにあり、
それにより、いわゆるメドックのように深くはないが、1.5~5メートルも岩盤を突き抜けて根が這っていく。
ぶどう畑の土は写真のように、もこもこ、ふかふかしている。
木の葉っぱも色が良く、健康そのものの表情、生き生きしている。
畑での手入れの気合いが全然違う。
私たちは、こういうところに心を奪われ、ますますワインにハマっていくんですね。
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